SEO対策には大きく分けて「内部対策」と「外部対策」があります。検索順位を上げるにはどちらも重要ですが、「結局どちらが優先なのか？」「効果が出やすいのはどっちなのか？」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。この記事では、内部対策と外部対策の役割の違いやそれぞれの具体的な内容を解説したうえで、今のSEOにおいて本当に重要視すべきポイントを明らかにしていきます。
まず、内部対策とは、Webサイトそのものを検索エンジンに正しく理解してもらい、ユーザーにも使いやすくするための施策です。具体的には、ページタイトルやメタディスクリプションの最適化、見出しタグ（H1～H3など）の整理、パンくずリストの設置、内部リンクの設計、画像のalt属性の設定、サイトの表示速度の改善、モバイル対応などが含まれます。また、最近ではGoogleの評価基準として「Core Web Vitals（コアウェブバイタル）」も導入されており、ページ表示のスピードや操作性、視覚的安定性といったUX（ユーザー体験）も内部対策の一環として強く意識されるようになっています。
一方で、外部対策とは、外部のWebサイトから自社サイトへリンク（被リンク）を獲得する施策のことを指します。Googleは被リンクを“信頼の証”と見なしており、「多くのサイトから紹介されている＝価値のあるコンテンツ」と判断するため、検索順位の評価に大きく影響します。特に、信頼性の高いドメインからの被リンクはSEOにおいて非常に強力な評価要素となります。ただし、近年ではリンクの“質”が重要視されており、リンク数をただ増やすだけのスパム的な手法は逆効果になることもあるため、自然で関連性の高い被リンクの獲得が求められています。
では、「内部対策と外部対策、どちらがより重要か？」という疑問に対しての結論は――「まずは内部対策が優先。ただし中長期的には両方のバランスが重要」というのが現実的な答えです。なぜなら、内部対策は検索エンジンに「このページは何について書かれているのか」を正確に伝える基盤であり、どれだけ良い被リンクを獲得しても、そのページの構造が整理されていなかったり、内容が薄かったりすれば、検索上位に表示されることは難しいからです。言い換えれば、内部対策が“家の土台”、外部対策が“紹介や口コミだとすれば、土台がしっかりしていなければ、どれだけ紹介されても評価にはつながらないということです。
また、内部対策には自社の努力でコントロールできるという利点があります。コンテンツの質を高めたり、サイトの構造を改善したりするのは、予算やスケジュールの管理がしやすく、着実に結果につながりやすい分野です。一方で外部対策は、自発的な被リンク獲得が難しく、メディア掲載や他サイトからの言及といった「第三者評価」に依存する部分が大きいため、成果が見えるまでに時間がかかることもあります。
もちろん、一定のコンテンツ評価が得られ、検索順位が安定してきた段階では、外部対策による“追い風が大きな差を生むこともあります。特に競合が多いキーワードでは、信頼性のある外部リンクの有無が決定的な順位差を生むため、中長期的な視点ではメディアへの情報提供、SNSの活用、口コミ誘導などの広報活動もSEO戦略として欠かせません。
まとめると、SEOで成果を出すには「内部対策で土台を整え、外部対策で評価を高める」という両輪が必要です。ただし、これからSEOに取り組む・強化するという段階では、まず内部対策に集中し、「誰に・どんな情報を・どう届けるか」という設計を徹底することが何よりも重要です。そのうえで、良質なコンテンツが育ってきたら、外部からの評価を集める仕組み作りへと進めていく。SEOとは短期の勝負ではなく、長く続く信頼づくりの積み重ねであるという視点が、結果的に検索上位への最短ルートになるのです。